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GEMSはどうして“科学の専門家”を起用しないのか
2017年04月21日

こんにちは。かもです。

おかげさまでGEMSもだんだんと広がってきて、最近ではついに土日が全部ワークショップなんて月も出てきました^^
そしてたくさんの人が応援してくれるようになると、もっとGEMSを広めようといろいろなアイディアをいただきます。
その中でも多いのが、「プロの科学者とコラボしてみてはどうか?」というもの。GEMSのプログラムは全体的にふわっとしているので、本当はすごいことにつなげっているんだぞというゴール像を示すとよいのではということです。ふむふむ、なるほど。

そんな話を聞いたGEMSリーダーの方が先日メールをくれました。

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リーダーを取った時、特にピーチのプログラムをやった後、私自身もすっきりせずに講師の方に色々質問させていただいたのを思い出しました。何が伝えたいのかわからない、なんとなくはわかる気もするけれど、漠然としているというか、はっきりしたゴールがないので釈然としない、ような感覚。まさに結果ありきの授業しか受けて来なかったからなんでしょうね。

ほかのGEMSのプログラムも、原理を説明しないところなどすっきりしない部分は最初のころ違和感として感じる部分はありました。一応理系出身だからなのでしょうか。でも、GEMSを開催しながら、もっと勉強していくにつれて逆に納得できてきた部分でもあります。

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勝手な私の偏見ではありますが、研究者は理数系分野の山のてっぺんを目指し登り続けている人、もしくはその頂上近くにいる人な印象です。その山は理系苦手な人から見たら、とてつもなく高く険しい山で、近づこうともましてや登ろうなんて思わない山。でも、山のすそ野って結局はただの地面にそのままつながっているわけで、誰しも生まれた時からその上に降り立っているわけです。

遠くから見たら高い山も、すそ野はなだらかで知らない間に自分はその途中に立っている、そのことに気づかせてくれるのがGEMSなのかな、と思っています。もしくは、公園にある小さな山の登り方や山歩き、ハイキングの面白さに気づかせてくれるもの。そこから本格的な山登りに興味を持ったらその道を選べばいいし、そうじゃなくてもいい。

登山というとハードルが高いけど、坂道はみんな普段も登ってる。レベルは違うけど、それを少しずつレベルを上げていったものが登山になる感じで、日常と科学や数学をつないでくれる(本来つながっているけどなかなか気づけずにいるから)のがGEMSなのかな、と。

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だから、少し山歩きをしてみようかな、という人にエベレスト登頂経験者の話が必要か、といったらそうでもないのかな。GEMSによって、今までよりもほんの少し高い所に行って見える景色が変わる実感。もしくは今まで通りのところにいても見る角度が変わる事で新しい発見をする楽しさ。そこからさらに上に行ってみたくなればそうすればいいし、新しく見えた別の風景に惹かれたならそっちへ進めばいい、みたいな。

上手く言えないですが、高くて険しくて絶対近づかないと思っていたような科学や数学の山もそのすそ野をたどってきたら自分の立っている地面につながっている、見方を変えればこの地面もその山の一部かもしれない、みたいな。自分もその上に今立ってるじゃん、みたいな発見ができるのがGEMSなのかなと思っています。

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うーん、とってもいい例え!起伏はあろうと、水の底だろうと、地面はつながっているのです。そのことに気づいていくプロセスの中にこそサイエンスの本質があるのかもしれませんね。

スペシャリティ・ワークショップとは…
2015年03月26日

リーダー/アソシエイトのスキルアップを図り、定期的にGEMSにふれているアクティブな資格保持者を増やすことを目的に2014年に設定されたフォローアップ・ワークショップです。
スペシャリティを受講することで、以下のようになります。

◆リーダーは…
・3回受講することでアソシエイトWSの参加資格を得る
・スペシャリティを受講したプログラム(今回は『ウーブレック』)は、大人に対して提供することができる
・2年に1回受講することでアクティブなリーダーとして登録が更新され、受講後2年間センターから継続して講師・TA依頼を受けることができる

◆アソシエイトは…
・2年に1回受講することでアクティブなアソシエイトとして登録が更新され、受講後2年間センターから継続して講師・TA依頼を受けることができる

なお、スペシャリティWSを受講しなかったからといって資格が停止されるわけではありません。ただし、ジャパンGEMSセンターから講師・TA依頼をするのはアクティブな資格保持者の方に限らせていただきます。
アクティブな資格保持者として登録を更新するためには、2年に一度、1)スペシャリティWSを受講する、2)GEMSの実施報告を提出する、3)センター主催のワークショップで講師を務める、のいずれかを満たす必要があります。

PISA2012について
2013年12月04日

PISA2012の結果が公表されましたね。OECD加盟国の15歳児を対象とした学力テストで、日本の平均点は前回よりも上昇したとの結果が出ました。ただなんというか、内容は特に変わっていないなぁという印象です。PISA調査では回ごとに「読解力」「数学」「科学」のいずれかのリテラシーに重点が置かれるのですが、今回は数学的リテラシーが取り上げられています。

数学の点数自体はそれなりだと思うのですが、数学に対してネガティブな印象を持っている児童生徒はやはり多いようです。学習指導要領やそれに伴った学校の変化もあり、前回よりは数学に興味・関心を持ったり、数学に対して自信を持てたりはできているようですが、まだ国際的にみると低い値です。

問題内容別にみると、解釈や応用といった要素が入った問題がやはり難しいようです。このことから考えてみると、数学を本質的に理解するに至っていない児童生徒が多く、それゆえに数学に対するモチベーションが高まらないのかもしれません。

解釈や応用という話は、学校教育というよりも児童生徒自身の知的好奇心によるところが大きいようにも思います。与えられた課題だけをやっていても身に付かない力ですから。日常生活の中で子どもたちがいろいろなことに疑問を持てるような仕掛けをしていきたいところです。

次回の調査(PISA2016)では、2006年以来に科学的リテラシーに重点が置かれます。果たしてどのような結果になるのか、非常に楽しみです。

 

OECD東京センター http://www.oecdtokyo.org/

国立教育政策研究所 http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/

感情と共に学ぶ
2013年10月30日

「やる前に考えてたから、それが当たったときうれしかった!」

「うーん、僕は考えてたのが外れたからくやしかった…」…

先日開催した科学教室で、小学1・2年生の子たちが言った感想です。「やる前に考え」というのは、「予想」の低学年言葉です。

 

行ったアクティビティは、浮く物体と沈む物体を予想し、検証する『浮く?それとも沈む?』。実際に物体を水に入れる前に結果を予想したことで、嬉しさや悔しさといった感情が出てきたようでした。

 

少し話は跳びますが、感情はとても記憶に残りやすいことで知られています。自分が小さい頃を思い出したとき、すぐに思い出せる記憶には強い感情が伴っている(伴っていた)ことが多いのではないでしょうか。詳しくは割愛しますが、これは脳機能に関係していると言われています。

 

予想をするということは、体験学習ではとても大切なことです。ただ体験するだけでは、生じる感情は限定的です。例えば、悔しいというような強い感情はなかなか湧いてこないでしょう。予想をしてから体験することで、より強い感情が生じ、体験はより鮮やかな記憶として心に刻まれます。これが体験“学習”だと僕は思っています。

 

人間は感情の生き物です。大人でも子どもでもそれは同じです。感情が動くような学習場面をこれからも提供していきたいと思います。

 

ジャパンGEMSセンター研究員

鴨川 光

新しいパンフレットができました!
2013年10月03日

ジャパンGEMSセンターのパンフレットが新しくなりました!

GEMSブランチである日能研の協力をいただき、A4観音開きという豪華版となりました!

GEMSについてわかりやすくまとめてあります。夏の暑さに負けず、頑張って作りましたよ^ ^

本日以降のイベント等で配布予定です。直近は10月20日(日)のGEMS Cafeですね。

ブランチとジュニアブランチには後日お送りいたしますのでお楽しみに♪

GEMS受講がお得になる会員制度
2013年10月01日

ジャパンGEMSセンターの親団体である公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)の会員になっていただくと、GEMSに関して以下のような会員特典を受けることができます。なお、親子講座・ワークショップには定員がございますので、申し込み多数の場合は先着順とさせていただきます。

 

◆JEEF普通会員(年会費6,000円)は、

はじめてのサイエンス」を無料で受講可能(親子2人分無料。ご兄弟で参加の場合、お子様2人目以降は500円の参加料をいただきます)。

GEMS Cafe」を500円割引で受講可能。

指導者資格取得ワークショップ(リーダー/アソシエイト)」を1割引きで受講可能。

GEMS指導者用ガイドブックを1割引きで購入可能(指導者資格をお持ちの方は、資格に合わせて追加割引いたします)。

 

◆JEEF学生会員(年会費3,000円)は、

「GEMS Cafe」を500円割引で受講可能。

「指導者資格取得ワークショップ(リーダー/アソシエイト)」を1割引きで受講可能。

GEMS指導者用ガイドブックを1割引きで購入可能(指導者資格をお持ちの方は、資格に合わせて追加割引いたします)。

 

この他にも、JEEFの会報誌「地球の子ども」(年6回)が届いたり、JEEFが関係するイベントへの優先的に参加できたりといった特典がございます。ぜひこの機会にご入会ください♪

*JEEFの入会についての詳しい情報はこちらから!お申し込みの際は、コメント欄に「GEMSより」とお書きください。

答えの多様性
2013年09月30日

GEMSを体験された方からよく言われるのは、「答えが一つでないところが楽しくもあり、難しくもある」ということです。 … これは、本当にその通りだと思います。私たちが受けてきた教育は、明確な一つの答えがあるものが多いですから。
答えが一つに絞られるような教育が悪いというわけではありません。むしろ、私たちの生活を支えているのは、数値によってビシッと答えが定まるような学問です。科学や数学は、こちらの要素が強いように思います。しかし、それとは別に、答えが一つでないという教育にも価値はあります。これは、私たちの生活を豊かにしているものだと僕は思っています。文学や哲学など、解釈によって無限に広がる学問は、尽きることなく僕たちの興味を惹きつけます。

GEMSは、日本の理数教育ではこれまであまり見られなかった後者の視点を取り入れているところに特徴があります。なので、毎回たくさんの答えが想定できます。ただ、それは「明確に一つの答えを出す」教育と対立するものではありません。GEMSは、子どもたちに「明確に答えが出ない場合もあるよ」とささやいているのです。

だから、明確な答えを出す勉強と並行してやることで初めてGEMSの良さがわかるし、普段の勉強を違った角度で捉え直すこともできるのだと思います。 指導者からすると扱うのが難しいときもあります(正直、僕もよく想定してなかった回答の扱いに悩まされます汗)。しかし、それと同時に子どもたちの発想の豊かさはいつも驚きと楽しさを与えてくれます。

GEMとは英語で「宝石」を意味します。子どもたちの中に眠る原石は一人一人違います。「答えが一つでない」というGEMSのプログラムは、子どもたちに自分らしくあるということを教えてくれているように思うのです。

 

ジャパンGEMSセンター研究員

鴨川 光

蛇足と科学
2013年09月30日

蛇足というのは、「わざわざ余計な事までしてしまう」とう意味の故事成語ですね。元の故事では、ある男がヘビの絵を描いた際に、本来ヘビにはないはずの足を描いたために勝負に負けてしまいます。 この“足の生えたヘビ”は、実は故事から2千年以上後に発見されています。正確には“足の退化したトカゲ”らしいのですが(詳しくは下記URL)。

 

科学とは、「体系的であり、経験的に実証可能な知識(広辞苑より)」とされています。つまり、すでに何らかの形で実証されたものと、実証はできないけれど理論上確からしいものが科学だと言えます。 “足の生えたヘビ”は、2千年後に実証されたのです!ロマンを感じずにはいられません♪

 

科学はどんどん進歩していきます。現在の“常識”が、数年後には覆っているかもしれません。今は無駄だと思われているようなことでも、突拍子もないような空想でも、ある日それが最新の科学として私たちの前に現れるかもしれません。

 

GEMSが大切にしていることの一つに「子どもたちの発想を豊かにする」ということがあります。子どもたちがGEMSをやっているところを見た人は、よくその発想の豊かさに驚かれます。むちゃくちゃなアイディアもたくさんありますが^^; でもそれでいいのです。そんな空想を糧にして私たちの社会は発展してきたのですから。

 

たくさんの子どもたちが“足の生えたヘビ”を描いてくれることを願っています。

 

 

ジャパンGEMSセンター研究員

鴨川 光

 

ナショナルジオグラフィック公式日本語ページ

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2008102401

GEMSご意見箱①
2013年06月03日

先日のGEMS Cafeにて、たくさんのご意見・ご感想をいただきました。貴重なご意見ですので、お答えしたいと思います。

 

「答えが一つないところが楽しくもあり、難しくもある」という意見が多くの方からあがっていました。

これは、本当にその通りだと思います。私たちが受けてきた教育は、明確な一つの答えがあるものが多いですよね。

答えが一つに絞られるような教育が悪いというわけではありません。むしろ、私たちの生活を支えているのは数値によってビシッと答えが定まるような学問です。科学や数学は、こちらの要素が強いように思います。

しかし、それとは別に、答えが一つでないという教育にも価値はあります。これは、私たちの生活を豊かにしているものだと僕は思っています。文学や哲学など、解釈によって無限に広がる学問は、尽きることなく僕たちの興味を惹きつけます。

GEMSは、日本の理数教育ではこれまであまり見られなかった後者の視点を取り入れているところに特徴があります。今回の『食べ物で算数』も、ロサーダさんのパーソナリティまで推測して答えを出した方がいたように、たくさんの答えが想定できます。

ただ、それは「明確に一つの答えを出す」学問と対立するものではありません。「明確に答えが出ない場合もあるよ」と、GEMSは子どもたちにささやいているように感じます。だから、明確な答えを出す勉強と並行してやって初めてGEMSの良さがわかるし、通常の勉強を違った角度で捉え直すこともできるのだと思います。

指導者からすると扱うのが難しいときもありますが(正直、今回も僕が想定してなかった回答が随所にありました汗)、子どもたちの発想の豊かさはいつも驚きと楽しさを与えてくれます。ちなみに、想定外の意見や質問が出たときにどう対処するかというのもマニュアルがあったりします(詳しくはリーダーWSで♪)。

長くなってしまいましたが、みなさまの気持ちに少しでもお応えできればと思い書きました。またのご参加をお待ちしています。

リーダーWSちょい出し①
2013年05月17日

6月15日(土)・16日(日)に開催されるGEMSリーダー資格取得ワークショップについて、ちょっとずつ解説していくシリーズです。

第一回目の今回は、「GEMSリーダーってなぁに?」という疑問にお答えします。

 

GEMSリーダーとは、GEMSの指導者資格の一つです。

しかし、そもそもGEMSを実施するには資格はいりません。ガイドブック通りに進めれば、科学や数学の専門知識がなくても十分有効なプログラムとなるからです。

では、なぜ指導者資格があるのでしょうか?

 

それは、GEMSの教育的な効果をさらに高め、子どもたちと楽しく学びあえる人材を養成するためです。GEMS自体は完成されたプログラムですが、そのポテンシャルを十二分に引き出すには、少しコツがいります。

それさえ学べば、GEMS(=宝石)は一層輝きを増すのです!

 

今回のワークショップでは、修了後すぐにGEMSを実施していただけるよう、GEMSの背景理論や、実施する際のファシリテーションについて学ぶことができます。

 

次回(来週更新予定)は、GEMSの教育的効果について紹介したいと思います。

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