BLOG

2018年9月
アメリカ滞在記 #8
2018年09月26日

いよいよ日本に帰ります。
最後のレポートは、カリフォルニアにおけるサステナビリティ(SDGs)への意識や取り組みについて書いてみます。

ジェンダーや人種差別、環境問題に昔から意識的だったカリフォルニアでは、特にSDGsを街中で見かけることはありませんが、当たり前のようにいろいろなことがされていました。

それでも4年前に訪れた時に比べると、マイクロプラスチックやLGBTへの配慮などは顕著に見受けられました。それはSDGsの登場と無関係ではないのだと思います。

教育の分野でも、LHSの新しい教材では州ごとに内容を変えるなどローカルとグローバルの両方を意識している方向性が明確に感じられます。

今回学んだことを日本でGEMSの中にしっかり反映させて、また10月から頑張ります!みなさんワークショップでお会いしましょう!

 
アメリカ滞在記 #7
2018年09月26日

5日目は、San FranciscoにあるCalifornia Academy of Scienceにやってきました。
ここは研究機関に附属している、日本でよく見るような「The 科学館」という感じ。

展示は決して目新しくないのですが、空間が広く開放感がある印象。掲示物も地球環境のことやサステナビリティへの注意喚起が中心で、“科学情報提供のための科学館”でした。これまで観てきたのが“科学で遊ぶための科学館”だったので、ずいぶん違います。(ボランティアもシニア中心でした)

ただ、やはりアメリカの科学館はどこも「モノには近く、壁から遠く」というデザインが魅力的です。展示物は小さな子どもでも近づいて観られるように、それでいて仕切りや天井から距離がとられているのでゆったり観ることができます。

人間は、狭い空間だと副交感神経が働いてリラックス物質が出てきます。逆に広い場所では、どこから危険が迫るかわからないので、常にセンサーを働かせて脳がアクティブになります。広く明るい館内は、子どもたちの脳を活性化させて思考を動かすのに一役買っているのだなぁと感心しました。

土地が広いからこそできることかもしれませんが、環境が子どもの学びを動かすということが実感できました♪

▼ California Academy of Science
https://www.calacademy.org

アメリカ滞在記 #6
2018年09月24日

今日味わった感動をどう文章にしていいものか…!
4日目は、LHSの前ジャパンGEMSセンター担当をしてくれていたTraci&パートナーのLoriに連れられて、San FranciscoにあるBay Area Discovery Museum(BADM)にやってきました。

Traciが「私の一番好きなミュージアムの一つよ!」と言うので期待を膨らませていたら、入り口でまさかの「子連れでないと入場できません」と。Loriが「彼らは日本の専門家で視察に来たのよ」と説明してくれたら、それは失礼とわざわざスタッフが出て来て案内してくれました。なんとも贅沢♪

施設は、1900年代初頭の民家をリノベーションしてエリアごとに建物が分かれています。建物どうしの間に順路や通路はなく、子どもたちはやりたいものがあるところに自由に移動するのですが、間のスペースにも楽器があったり、どこにでも絵をかけたり、おもしろいものがたくさん

アートしたり、カラダ動かしたり、クラフトしたり、さりげなくSTEMの文字も!この自由度の高さや、遊びの中に学びをちりばめるアプローチは、レッジョエミリア教育をベースにしているとのこと。Center for Childhood Creativity(CCC)という団体がバックアップをしているんですって。ここも気になる!

レッジョエミリアはMIが意識されているプログラムなので、BADMの施設もさまざまなジャンルのアクティビティを体験することで、子どもたちがいろんな知能を育てていけるように設計されています。どれもシンプルな造りなんだけど、自分では思いつけないなーというものばかり。

でも、どのアクティビティも子どもたちが自分で遊び(学び)のストーリーをつくっていけるようになっているところが魅力的!例えば、見立て遊びで「ここは水の中でね、でも僕はカエルだから平気でね…」と自分で想像を膨らませる力は、自分で自分を育てる力(自立した思考力)につながります。

そして、この施設にも保護者向けに子どもたちの遊び(学び)をどうサポートするのが良いかアドバイスがアクティビティごとに書いてあります。これもCCCがデザインしてるんですって。科学者と教育者と芸術家が生み出した夢のような遊び場に圧倒されてしまいました!

最後に、幼児向けエリアの入り口に掲げてあった素敵な言葉を。

「子どもたちは遊ぶほどに自信を深めていきます。それは1時間であることもあれば、数週間に及ぶこともあります」

▼Bay Area Discovery Museum
https://bayareadiscoverymuseum.org

▼Center for Childhood Creativity
https://centerforchildhoodcreativity.org

アメリカ滞在記 #5
2018年09月23日

午後からは同じSan JoseにあるThe Tech Musetm of Innovation(Tech Museum)を見てきました。
午前中のChildren’s Museumとはガラッと変わり、シリコンバレーにSan Joseならではの先進的な科学技術を展示する科学館です。

対象は10歳以上といったところでしょうか。大人も楽しめるコンテンツが多いので、家族連れだけでなくデートできているカップルも多い印象でした。

展示内容はデジタル系が多いのかと思いきや、アナログなパズルだったりクラフトだったりと上手いバランスで組み合わせているという感じ。子どもたちはどちらかというとアナログなアクティビティの方が好きなようでした。

前々から思っていたことですが、扱う素材や機材が高度になればなるほど、子どもたちは大人の設定した枠の中でしか遊べなくなります。例えば、コードを組み合わせてロボットを自在に動かすという活動で、子どもは大人も知らないコードを書き込んで新しい動きを生み出すことは余程ハイレベルな子でないとできません。

そこらへんのことを意識しているからこそ、最先端技術とアナログな遊びを並行して子どもたちに提供しているのかなと、勝手に感心しました。

いいヒントをもらったなぁ♪

▼ The Tech Musetm of Innovation
https://www.thetech.org

 
アメリカ滞在記 #4
2018年09月23日

3日目の午前は、San JoseにあるChildren’s Discovery Museumにやってきました。
ここは乳幼児に特化した子ども科学博物館として有名で、小さい子どもたちにどのようなアプローチをしているのか気になって来てみたのです。

館内はそこまで広くないのですが、壁が少なく開放感たっぷり。子ども中心に設計されているので、展示やアクティビティはすべて子どもの目線に合わせてあります。でもベンチとかアクティビティの説明書きとか、保護者向けに用意されているものも充実していて、子どもが遊んでいる時の親のことを考えてあるなぁと感心します。

中でも印象的だったのは、自然物を使ったアクティビティがたくさんあること。見て、触って、嗅いで、聞いて、五感をいっぱい使って学ぶようになっています。化石とか、貝殻とか、3歳前後の子どもたちがレプリカでなく本物を触ったり動かしたりできるのもすごい!

そしてもう一つすごいのは、保護者ように「このアクティビティで一緒に遊ぶときは、こういう風に声かけてあげて」とか「子どもがもっと興味あるようならこのサイト見てみて」という説明書きが用意されているところ。

こういった工夫がいろいろされているので、子どもたちはお父さんお母さんと本当に嬉しそうに遊んでいました♪

▼ Children’s Discovery Museum
https://www.cdm.org

アメリカ滞在記 #3
2018年09月22日

お昼を食べながら始まったミーティングは、気付けば4時間近く経っていました。
ここ数年のジャパンGEMSセンターの活動報告、いま起きている日本の変化、これから考えている展開、こちらが伝える一つ一つの事柄をディレクターのJacqueline Barber(Jacquey)は嬉しそうに聞いてくれていました。

「年間どのぐらいの子どもたちがGEMSに触れられるの?」
「大人たちはどのぐらい?大学生もワークショップに来るの?」
「どのプログラムが日本では人気?全くやられていないものもあるのかしら?」

製作者の一人として、まるで遠くに送り出した子どもを想う母親のように、日本におけるGEMSのことを気にかけてくているJacquey。

中でも自然災害が起きた地域に出向いてGEMSをしたり、障害があるお子さんとワークショップをしたりしているという話には「最高!ぜひ続けてちょうだい!」と満面の笑みで励ましてくれました。

その後はライセンス契約の話や、STEMの話、教育論などざっくばらんに意見交換。LHSがSTEMをどう捉えているかという話はとてもおもしろかったのですが、ここで書くに長すぎるので時間があれば後日紹介しますね。

最後に「教育者にとって一番大切だと思う資質はなんですか?」とJacqueyに聞いたところ、「とても難しい質問ね…」と少し考えた後、こう答えてくれました。

「私は『ずっと学び続けられること』だと思うわ。子どもたちと同じように、自身も好奇心や探究心をもって学習者であり続けられる人」

「そういう意味ではLHSのアプローチって、やり手の探究心をくすぐるのが上手いよね。日本ではGEMS病って言われるぐらいついついGEMSのこと考えちゃう人たちがいるんだよ」

と僕が返すと、

「じゃあ最初のGEMS病患者は私ね。だってつくってるときから夢中だったもの!」

と少女のような無邪気な笑顔のJacquey。こういう人たちがつくったプログラムだから僕たちは魔法にかかるんだなぁとほんわかした気持ちになれたミーティングでした。

アメリカ滞在記 #2
2018年09月22日

2日目の午前は、GEMSの本拠地ローレンスホール科学教育研究所(LHS)で、新しい体験学習プログラム「Amplify Science」のスタッフワークショップに参加してきました。

Amplify Scienceは、LHSとアメリカの教材会社Amplifyが提携してつくった新しいプログラムで、幼児〜中学生を対象にアメリカのほとんどの州で採用されているそうです。

この1つ手前のSeeds of Science/Roots of Reading®というプログラムは、GEMSのアプローチに言葉の力(Reading, Writing, Talking)を育てるエッセンスが追加されたものでしたが、Amplify Scienceではさらにモデルをつくる(Visualize)ことが新たに加えられました。

これは仮説を立てたり、PC環境でシミュレーションしたり(なんとガイドも電子化されてた!)しながら、Engineeringに通じる力を育てるのが目的とのこと。ついに LHSがデジタルに手を出したというのも衝撃ですが、なんともSTEMっぽいですね。

このようなプログラムの変化を、LHSのディレクターJacqueline Barberは、「GEMSという核があって、その周りに少しずつ貝殻を重ねていくような感じ」と表現していました。基本はいつまでもGEMSよ、と。

権利の関係であまり細かく書けないのですが、もう一つの大きな変更点は、学習課題をTopic(事柄)からPhenomena(事象)に転換したこと。

例えば、物質の三態変化を学ぶにしても、先生が「液体はこうだよ、固体はこうだよ」と一つずつ教えるのではなく、『木星にある“湖”を調査する』という学習の中で三態変化だけでなく、天体、宇宙船設計などと合わせて一気に学びます。

これは2013年に出たNext Generation Science Standards(NGSS)の影響が強く出ています。NGSSの序文でも書かれているのですが、科学の発展によって学ぶべき事項が増えすぎた結果、Topic(事柄)で単元をつくると学年に収まりきらなくなる事態が起きたのだそう。

そこでPhenomena(事象)ごとに単元を作り変え、一つの学習課題の中で複数のTopic(事柄)を扱うことにしたとのこと。こうすることで、一つの単元に避ける時間数が増えるから、長い期間同じ内容に触れることができて学習が深まる!

細かく単元を区切ると次々に終わらせなければいけないけれど、単元を長くとれるようにする。これはすごい転換!相変わらずおもしろい発想をするなぁと内容よりも考え方に感心したワークショップでした。

▼Amplify Science
https://www.amplify.com/curriculum/amplifyscience

アメリカ滞在記 #1
2018年09月21日

無事サンフランシスコに到着しました。
天気は快晴、湿気も少なく快適です♪

今日は時差を戻しながら、市内の本屋さんやショップを見てアメリカ社会の“今”を感じています。

おもちゃ売り場を見てみると、STEMやSTEAMと銘打たれたキットが増えていることに気づきます。STEAMはSTEM(Science, Technology, Engineering, Massmatics)にArtをプラスしたもので、日本でも注目されている理数教育のコアコンセプトです。

 

STEMと書かれているものとSTEAMと書かれているものとで何が違うのか比べてみたところ、一つは「自由度」のように感じました。STEM教材は、たとえいろいろなことができたとしても(20個の実験ができる!みたいに書かれていても)決められた枠組みの中での自由になります。

それに対してSTEAM教材は、オリジナルのグミを作ろうみたいに、材料の組み合わせや配合を変えると限りなくいろいろなことができるというような印象。色がカラフルなものが多いのも、バリエーションを増やすためなのかも。

アート=オリジナリティ(創造性、自由性)という感じなのかしら。ふむふむ。

大阪の小学校で恩返しワークショップ
2018年09月05日

大阪箕面市にあるアサンプション国際小学校で、出前授業と、職員研修をさせていただきました。

2年前からGEMSリーダーの先生を中心に各学年にGEMSの導入を進めてくださっているご縁の学校なのですが、先の大阪北部を襲った大地震、そして大雨では学校が休校になるなど、子どもたちへのストレスがかかる時期を過ごされていました。

GEMSをとても大切にしてくださっている学校なので、センターとして何か貢献させてもらえないかと打診して、今回の訪問が実現したのです。

午前中は小学2年生の子たちと『砂浜』のワークショップ。油が海岸に流出し、砂浜の環境とそこにいる生きものがピンチになるーというアクティビティを行いました。

このアクティビティの醍醐味は、各グループから1人ずつ前に出てきて違う場面を観察し、見たことを残りのメンバーに報告するところですが、グループごとに絵を描いたり、箇条書きで伝えたり、4コマ漫画にしたり、聞く人がわかりやすいように工夫していたのが印象的でした。

そして、油で真っ黒になった海鳥のショッキングな写真を見せるとき、

かも:各グループに写真を置いていくけど、きっとみんなギャー!とか叫ぶから、全部配り終わるまで裏のままにしておいて。

子どもたち:そんなギャーなんて言わへんよー(笑)

かも:めくっていいよー。

子どもたち:ギャァァァァァァァアア!!イヤァァァァァアア!!!

さすが大阪の子たち、2年生でも“振り”とリアクションがしっかりしている!
先生曰く「遺伝ですね」とのことでした(笑)

午後は、先生方と『たったひとつの海』と『世界の数学』にSDGs(持続可能な開発目標)を絡めたワークショップ。こちらもわいわい楽しかったなぁ♪先生方の探究に向き合う姿勢がとても素敵でした。

こちらから元気をお届けしたいとお願いした訪問でしたが、むしろ僕の方がエネルギーをいただきました^^
2学期からも素敵な先生と子どもたちがいるアサンプション国際小学校を応援しています!

▼アサンプション国際小学校のHP
https://www.assumption.ed.jp/primary/