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福祉と教育
2020年02月15日

埼玉県の母子生活支援施設で『カラーアナライザー』のワークショップを実施しました。
様々な事情から自立を目指す母子家庭を支援する施設ですが、その一環として学習支援も行っています。今回は、その特別版&職員研修として呼んでいただきました。

スタートはやはり緊張感に包まれていました。見知らぬ大人に対して警戒心を強く示す子もいれば、自分で考えようとしないで言われたことをやる無気力気味の子もいます。これまでの成長過程の中で大人に振り回されてきた影響は小さくないはずです。

だから、導入はとにかく丁寧に時間をかけて、この場の安全性と見通しを伝えることを大切にしました。少しほぐれて言葉出てきたら、そうだよ、それでいいんだよと声をかけながら学びに一歩踏み出す雰囲気をつくっていきます。

普段のワークショップに比べて子どもたちのスイッチが入るのに1.5倍ぐらいの時間がかかりましたが、一度壁を超えてしまえば誰だって新しいチャレンジがしたいのです。「うわぁ、おもしろーい!」「えっ、なんでなんで?」「あ、俺わかっちゃったかも!」いろんな声が出てきました。

 

秘密のメッセージづくりでは、一度失敗しても「次はこうやってみる」と切り替えて大人たちよりもアイディア豊かな作品をつくってくれた子どもたち。そろそろ時間だよーと伝えると「もう終わっちゃうの…?」と男の子。90分は短かったかなぁ^^;

最後に子どもたちには、こんなメッセージを伝えました。

「今日みんなを見ていて、うまくかなくても何回もやり直すことができていたのは素敵なことだと思ったよ。これは学習だけでなくて、日常のいろんなところで使えることだよ。うまくいかないからもういいや!なのか、うまくいかないから次どうしよう?なのか、どっちの道に行くのも自分で選べる。大人の言う通りにする必要はない。みんなは自分の人生を自分で選んでいけるよ」

終了後、1人の女の子が「次にかもとやるときもこの名札でいい?」と名札を持ち帰っていきました。うん、次も一緒にやろうね!また行くからね!

みんなアーティスト
2020年02月10日

みなさんは絵を描くときに何で色をつけますか?絵具?クレヨン?
もしその中に自分が欲しい色がなかったら、どうしますか?

自分が本当に欲しい色の絵具を1からつくるワークショップを、パリのルーブル美術館で絵画補修の研究員として活躍されている藤井ひとみさんと開催しました。

まずは、絵具の材料となる顔料の粉とアラビアゴムを観察することからスタート。顔料だけを筆につけて塗ってみても紙がわずかに色付く程度ですが、粘り気のあるアラビアゴムを1滴混ぜるだけで一気に発色のいい絵具に。

さらに、水を加えるとスーッと伸びて濃淡も表現できる水彩絵具ができあがります。あっという間に粉から絵具へと変化していくの様子にみんなびっくり!色を混ぜたり、水分量を調節したりしながら、黙々と紙に色を塗りつけていきます。

子どもたちが普段お絵かきするときは、描きたいものに合わせて色を「選ぶ」ことから始まります。それが色を「つくる」ところからスタートすると、子どもたちは形を描くということに捉われません。色の不思議を研究する科学者のノートのような、探究の軌跡がわかる素敵な作品が出来上がります。

色の探究が盛り上がっているところで、今度はお父さんお母さんが描いてくれたぬりえにチャレンジ!実はこれ、子どもたちの探究を後ろで見ていた大人たちに、「自分のお子さんがつくっている色で塗ったらおもしろそうなぬりえをつくって」とお願いして描いてもらったもの。

家に帰ってから、こんな風に子どもたちに寄り添ってあげてくださいねーという練習も兼ねて描いてもらったのですが、親が自分のために描いてくれたというのが子どもにはすごく嬉しかったみたい♪色づくりがさらに加速していきました。

アートとサイエンス、親と子、コラボレーションすることで学びの新しい可能性が広がります。次はどんなコラボレーションができるかなぁ?

*藤井ひとみ(ひとみこぱん)さんのHP

どうしてトゲが好き?
2020年01月28日

ブータンで一緒にお仕事をしているTshering Choki さんが、『動物の自己防衛』を子どもたちにやったよーと知らせてくれました!

ブータンの人がGEMSをやるのはこれが初めてのはず。『動物の自己防衛』は紙、のり、ハサミがあればすぐできるので、どんな場所でも気軽に実施しやすいんです^^

それにしても子どもたち楽しそうだなぁ♪写真からでもワークショップの盛り上がりが伝わってきます。

それにしても、子どもが動物にトゲを付けたがるのは万国共通なんですね(笑)強い=鋭い部位って感覚なのかしら?

Chokiさんいわく「子どもたちの反応がいつもと違ったわ!」とのこと。今後ブータンでGEMSがどのように展開されていくのか楽しみです!

*『動物の自己防衛』のガイドを購入する

夢中になれる時間
2020年01月24日

いわき市の幼稚園で、年長さん32人と『ペンギンとひなたち』のワークショップ!
幼児らしくからだをいっぱい動かしながらペンギンの生態について学んでいきます。

まずは大きなペンギンのポスターを見ながら、自分たちの体とペンギンの体の違いを比べます。くちばし、羽、足などの特徴があがっていくのですが、小さい子たちがすごいのは実際に触ったことがないペンギンのさわり心地までイメージできること。

 

「ペンギンのくちばしさわったら温かいかな?それとも冷たい?」と聞くと、一斉に「冷たい!」と応えます。「おなかの辺りさわったらどうかな?」と聞くと、これまた一斉に「ふわふわ!」。子どもたちには、目の前に本物のペンギンがいるかのようにイメージが膨らんでいるんですね^^

じゃあ何でペンギンはふわふわおなかをしてるんだろう?ということで、素手と手袋をした手でそれぞれ氷をぎゅっと握りしめてどちらが冷たいか実験してみます。「きゃー!つめたーい!」「えー!てぶくろしてるとあったかい!」などと部屋中に歓声を響かせながらの探究。

ペンギン歩きでお部屋に戻って、紙袋で1人一匹ペンギンを作ります。思い思いのペンギンを作ったら、ペンギンたちに食べさせるエサも自分たちで描きます。ちゃんと自分のペンギンが食べられる大きさの魚を描いているのがなんとも可愛い♪

ここで時間になってしまったので、続きはお昼ご飯食べてからにしようねーとアナウンスすると、1人の男の子が「ぼく夢中になってたのに…」としょんぼり。あぁぁごめんよぉ><

でもそれだけのめり込んでくれたのは嬉しい!子ども自身が、自分はいま夢中になっているんだって自覚できるのはすごいなぁ。僕たちの方が元気をもらえるワークショップでした♪

 

*かなや幼稚園とGEMS
東日本大震災直後に放射能の影響で外遊びが制限されてしまった子どもたちが、室内でも思いっきり遊んで学んべるようにしたいという先生たちの想いを伺い、研修を担当しました。その後は毎年日本環境教育フォーラム(JEEF)に寄せられる寄付金の一部で出前授業を続けています。もう外遊びの制限はなくなっていますが、GEMSセンターにとっては大切にしているお付き合いです。

あたたかいっていいなぁ
2020年01月22日

先週末の東京は雪が降るほど寒かったのですが、センターはあたたかい絵本屋さんの中でワークショップ。
木とそこに住む生きものをテーマに、からだをいっぱい使って学んでいきました。

まずは、本物の木の枝や木でできた製品をさわってみたり、自分のからだを使って木になりきってみたり、たっぷりと時間をかけて今日のテーマ「木」に子どもたちの気持ちを向けていきます。

「今日は木についてやりまーす」と口で言うだけでは、頭でやることはわかっても気持ちが乗ってこない子は結構います。先を急がずじっくり導入していくと、子どもたちのからだが自然と前のめりに。学びスイッチを子どもたち自身の力で押すことができると、大人に言われたからやっているのとは集中力が段違いです。

 

かがくのとも『もりのなかのあなのなか』の読み聞かせから、木に住むフクロウの生態について学びが進んでいきます。手始めに、フクロウの絵を見ながらからだの仕組みを理解していくのですが、実際に自分たちで体験してみるのがGEMS流!

フクロウと比べて自分の首はどこまで回る?フクロウみたいに足だけで物を掴める?音もなく飛ぶフクロウのように、静かに歩ける?「できないー!」「こんなの無理だよー!」なんて言いながら一つ一つ体験して、自分にはできないことを軽々とやってのけるフクロウの凄さに気づいていきます。

 

最後は紙でフクロウとそのお家を作ります。みんなのお家をならべてみると、それぞれの個性が出ていておもしろいね。さらにエサを獲りに行くロールプレイ!本当に食べられるウサギ饅頭とミミズグミを獲って、みんなでもぐもぐふりかえり。

お外はあんなに寒いのに、あたたかくいられるお家はやっぱりいいねぇとしみじみ実感しながらワークショップが終わりました。頭で理解するよりも、からだで実感できる学びって大事だなぁと改めて感じるワークショップでした。

*『木のおうち』のガイドはこちら

ミツバチを学ぼう
2019年12月14日

つくば市で開催されているミツバチサミット2019に参加してきました。
以前トレーニングを担当した筑波大の学生グループSCOUTが、GEMSベースのブースを出すということでサポートに。

日本語未翻訳の『Buzzing A Hive』というミツバチのプログラムなのですが、ミツバチのからだのつくりや、巣の構造、暮らし方など多方面から学べるGEMSらしい内容です。

見ていてふと思ったのですが、ミツバチっていろんなテーマに接続できるんですよね。生きものはもちろん、食、森、水、経済、建築などなど。

さらにアプローチとしてもロールプレイ、アート、調理など多様。これは深掘りする価値のあるプログラムだーと改めてわくわく!

来週末に親子講座でもやるので、興味がある方はぜひ〜♪

おはなしサイエンス「ゆかいなはちのす」
http://japangems.org/jeef/ohanashi_24.html

GEMSな職場体験
2019年12月03日

夏にお手伝いした日本水産株式会社(ニッスイ)さんの子ども参観イベントを、株主通信(事業報告書)に掲載していただきました。

子どもが親の職場を見学するのが子ども参観。約20年ぶりに実施することになり、GEMSセンターが企画&ワークショップを提供いたしました。

当日朝、子どもたちは親と一緒に出勤し、まずは会社説明を聞きます。ここで登場したのはなんと的埜明世社長!今回の企画を提案したところ、ご多忙の合間を縫って自らプレゼンターに手を挙げてくださったのです。
(社長自ら会社説明受けるってすごい…!)

ニッスイさんが海の恵みをいただいて製品を作っていること、またその際に海を汚したり荒らしたりしないように気を付けていることが紹介され、じゃあ海が汚れたらどうなってしまうのか実験しよう!ということでGEMSワークショップ『砂浜』のはじまりはじまり~。

海が油で汚れてしまったら、海の生き物たちはどうなるのだろう?この油はどうしたら取り除けるのだろう? と、予想と実験をくり返しながら海の大切さを学びます。さらに、マイクロプラスチックについての実験もプラス。

「君たちのお父さんお母さんは、海が汚れてしまわないようにお仕事を通じて考えているんだよ」と伝え、最後はここまで学んできたことをもとに、「自分が夏休みに、海のために取り組むアクション」を企画書にまとめました。

書き上げた企画書は、親とその上長に提出(笑)チェック、押印してもらい、家庭に持ち帰りました。お仕事を見るだけでなく、体験し学ぶというGEMS的な職場体験ができました♪

▼ワークショップの詳しい内容はこちら
http://www.jeef.or.jp/blog/nissui_csr/

▼NISSUI REPORT
http://www.nissui.co.jp/report/pdf/105_nissuireport.pdf

GEMSセンター初岐阜!
2019年11月24日

第3回キャタリストフォーラム(主催:中部科学技術センター)で『カラーアナライザー』のブース出展をしてきました。

3年連続で呼んでいただいていますが、今回は岐阜や愛知のGEMSリーダーさんたちにお手伝いしてもらってたくさんの参加者のみなさんとカラフルな探究を楽しみました!

初めての場所でやるワークショップは、やっぱり新鮮で刺激的。次はどこでGEMSしようかなぁ♪

P.S.
会場のぎふメディアコスモスは、近未来のコミュニティスペースという感じで本当に素敵!老若男女すべての人に心配りされた、スタイリッシュてハートフルな空間でした。

みんなの森ぎふメディアコスモス
https://g-mediacosmos.jp

公益財団法人中部科学技術センタ

http://www.cstc.or.jp

『カラーアナライザー』
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45209144

世界は色であふれている!
2019年11月11日

早稲田大学で『カラーアナライザー』のワークショップ。
学校心理学特論という、教育関係の仕事を目指す人が多い授業だったので、学習指導要領とつなげやすいプログラムを選びました。

特別なフィルムを使って透明な光の中に含まれる色のエッセンスを観察したり、身の回りのものを赤・緑のカラーセロファンを通して見ると色が変わる不思議を楽しんだり、あっという間の90分。

特に、教室を飛び出しての色の観察ツアーは、とてもほっこりした探究の時間でした。おもしろい変化を発見すると、自然と呼び合って見つけたものを共有して歓声をあげる姿は、大学生ながら微笑ましい♪

お日様が燦々とふり注ぐ室内で、自分の内側からじんわりと好奇心とモチベーションが湧いてくるのを感じてもらえたようでよかったぁ

生きること。学ぶこと。
2019年11月10日

抗体検査などを行なっている企業みらかホールディングスさんの社会貢献の一環として、病院内の学校(院内学級)の子どもたちとGEMSしてきました。
さまざまな理由で中〜長期入院している小中学生が通うのが院内学級。体調によって出欠が左右されるので、当日まで人数、学年、症状などが確定しない中でのワークショップでした。

液体の特性を多方面から探究する『液体の探検』をやろうと思っていたのですが、行ってみると先生が「ベッドに寝たまま参加する子がいます」とのこと。液体がこぼれてはいけないので、ビンに入ったままいろいろな液体を観察するアクティビティだけ実施することに。

ファシリテーションをベースにしているGEMSのアプローチはこういうときに強い!内容が変わったとしても、発問を工夫することとで当初と変わらない学びをつくることができます。

最初は緊張している生徒さんが多かったので、ペアでやるアイスブレークを長めにやってから本題へ。ビンを振ったり転がしたりしながら、「これは振ったら泡立つよ」「こっちは泡立つけどすぐ消えるな」などと分類していきます。

みんなが盛り上がっている中、1グループだけ表情暗く固まっているところがありました。発問しても目が合わず、アクティビティを変えても反応がありません。(終了後に、心療内科に入院されている生徒さんだと伺いました)

さてどうしようかと考えたときに、そういえばペアのアイスブレークは楽しそうにやっていたなと思い出しました。一対一でなら関係がつくれるタイプなのかと、急きょ流れを変えて予備で持ってきていた『世界の数学』のゲームへ。

これがビンゴで、さっきまで固まっていた子たちに笑顔が戻り、先生を相手に「もう1回!次は勝つから!」と何回も何回もチャレンジしていました。普段はお はじきを使ってやっているゲームも、付箋を使うことでベッドに寝たままでもプレイできるようにアレンジ。みんなで楽しく学んで終わることができました。

子どもたちには、こんなメッセージを伝えました。
「今やったゲームは“こう勝ちたい”ってゴールを描いて、そのために一手目にどう動こう、次はどうしようって考えたでしょ?それは、自分は将来こうなりた いとか、退院したらどうしようとか、そういうことをイメージして、そのために今から何をしようって考えるのと一緒。みんなの未来のためにたくさん学んでく ださい」

今回強く感じたのは、子どもたちは本来学ぶ意欲に溢れているということ。ただ、提供されるコンテンツやアプローチが合わなくて意欲に蓋をしてしまうことが あります。もし僕が心療内科の子たちの様子に気づいて活動を変えなければ、ベッドの子がいるのにおはじきにこだわり続けていたらー。アセスメントって大事 ですね。

最後に、ゲーム盤をプレゼントすると伝えたら子どもたちも先生たちも大喜び。校長先生いわく「院内学級だと、安全性の問題とかもあってなかなか体験的な学びができないんです」とのこと。これからも続けていきたい活動です。

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