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アメリカ滞在記 #6
2018年09月24日

今日味わった感動をどう文章にしていいものか…!
4日目は、LHSの前ジャパンGEMSセンター担当をしてくれていたTraci&パートナーのLoriに連れられて、San FranciscoにあるBay Area Discovery Museum(BADM)にやってきました。

Traciが「私の一番好きなミュージアムの一つよ!」と言うので期待を膨らませていたら、入り口でまさかの「子連れでないと入場できません」と。Loriが「彼らは日本の専門家で視察に来たのよ」と説明してくれたら、それは失礼とわざわざスタッフが出て来て案内してくれました。なんとも贅沢♪

施設は、1900年代初頭の民家をリノベーションしてエリアごとに建物が分かれています。建物どうしの間に順路や通路はなく、子どもたちはやりたいものがあるところに自由に移動するのですが、間のスペースにも楽器があったり、どこにでも絵をかけたり、おもしろいものがたくさん

アートしたり、カラダ動かしたり、クラフトしたり、さりげなくSTEMの文字も!この自由度の高さや、遊びの中に学びをちりばめるアプローチは、レッジョエミリア教育をベースにしているとのこと。Center for Childhood Creativity(CCC)という団体がバックアップをしているんですって。ここも気になる!

レッジョエミリアはMIが意識されているプログラムなので、BADMの施設もさまざまなジャンルのアクティビティを体験することで、子どもたちがいろんな知能を育てていけるように設計されています。どれもシンプルな造りなんだけど、自分では思いつけないなーというものばかり。

でも、どのアクティビティも子どもたちが自分で遊び(学び)のストーリーをつくっていけるようになっているところが魅力的!例えば、見立て遊びで「ここは水の中でね、でも僕はカエルだから平気でね…」と自分で想像を膨らませる力は、自分で自分を育てる力(自立した思考力)につながります。

そして、この施設にも保護者向けに子どもたちの遊び(学び)をどうサポートするのが良いかアドバイスがアクティビティごとに書いてあります。これもCCCがデザインしてるんですって。科学者と教育者と芸術家が生み出した夢のような遊び場に圧倒されてしまいました!

最後に、幼児向けエリアの入り口に掲げてあった素敵な言葉を。

「子どもたちは遊ぶほどに自信を深めていきます。それは1時間であることもあれば、数週間に及ぶこともあります」

▼Bay Area Discovery Museum
https://bayareadiscoverymuseum.org

▼Center for Childhood Creativity
https://centerforchildhoodcreativity.org

アメリカ滞在記 #5
2018年09月23日

午後からは同じSan JoseにあるThe Tech Musetm of Innovation(Tech Museum)を見てきました。
午前中のChildren’s Museumとはガラッと変わり、シリコンバレーにSan Joseならではの先進的な科学技術を展示する科学館です。

対象は10歳以上といったところでしょうか。大人も楽しめるコンテンツが多いので、家族連れだけでなくデートできているカップルも多い印象でした。

展示内容はデジタル系が多いのかと思いきや、アナログなパズルだったりクラフトだったりと上手いバランスで組み合わせているという感じ。子どもたちはどちらかというとアナログなアクティビティの方が好きなようでした。

前々から思っていたことですが、扱う素材や機材が高度になればなるほど、子どもたちは大人の設定した枠の中でしか遊べなくなります。例えば、コードを組み合わせてロボットを自在に動かすという活動で、子どもは大人も知らないコードを書き込んで新しい動きを生み出すことは余程ハイレベルな子でないとできません。

そこらへんのことを意識しているからこそ、最先端技術とアナログな遊びを並行して子どもたちに提供しているのかなと、勝手に感心しました。

いいヒントをもらったなぁ♪

▼ The Tech Musetm of Innovation
https://www.thetech.org

 
アメリカ滞在記 #4
2018年09月23日

3日目の午前は、San JoseにあるChildren’s Discovery Museumにやってきました。
ここは乳幼児に特化した子ども科学博物館として有名で、小さい子どもたちにどのようなアプローチをしているのか気になって来てみたのです。

館内はそこまで広くないのですが、壁が少なく開放感たっぷり。子ども中心に設計されているので、展示やアクティビティはすべて子どもの目線に合わせてあります。でもベンチとかアクティビティの説明書きとか、保護者向けに用意されているものも充実していて、子どもが遊んでいる時の親のことを考えてあるなぁと感心します。

中でも印象的だったのは、自然物を使ったアクティビティがたくさんあること。見て、触って、嗅いで、聞いて、五感をいっぱい使って学ぶようになっています。化石とか、貝殻とか、3歳前後の子どもたちがレプリカでなく本物を触ったり動かしたりできるのもすごい!

そしてもう一つすごいのは、保護者ように「このアクティビティで一緒に遊ぶときは、こういう風に声かけてあげて」とか「子どもがもっと興味あるようならこのサイト見てみて」という説明書きが用意されているところ。

こういった工夫がいろいろされているので、子どもたちはお父さんお母さんと本当に嬉しそうに遊んでいました♪

▼ Children’s Discovery Museum
https://www.cdm.org

アメリカ滞在記 #3
2018年09月22日

お昼を食べながら始まったミーティングは、気付けば4時間近く経っていました。
ここ数年のジャパンGEMSセンターの活動報告、いま起きている日本の変化、これから考えている展開、こちらが伝える一つ一つの事柄をディレクターのJacqueline Barber(Jacquey)は嬉しそうに聞いてくれていました。

「年間どのぐらいの子どもたちがGEMSに触れられるの?」
「大人たちはどのぐらい?大学生もワークショップに来るの?」
「どのプログラムが日本では人気?全くやられていないものもあるのかしら?」

製作者の一人として、まるで遠くに送り出した子どもを想う母親のように、日本におけるGEMSのことを気にかけてくているJacquey。

中でも自然災害が起きた地域に出向いてGEMSをしたり、障害があるお子さんとワークショップをしたりしているという話には「最高!ぜひ続けてちょうだい!」と満面の笑みで励ましてくれました。

その後はライセンス契約の話や、STEMの話、教育論などざっくばらんに意見交換。LHSがSTEMをどう捉えているかという話はとてもおもしろかったのですが、ここで書くに長すぎるので時間があれば後日紹介しますね。

最後に「教育者にとって一番大切だと思う資質はなんですか?」とJacqueyに聞いたところ、「とても難しい質問ね…」と少し考えた後、こう答えてくれました。

「私は『ずっと学び続けられること』だと思うわ。子どもたちと同じように、自身も好奇心や探究心をもって学習者であり続けられる人」

「そういう意味ではLHSのアプローチって、やり手の探究心をくすぐるのが上手いよね。日本ではGEMS病って言われるぐらいついついGEMSのこと考えちゃう人たちがいるんだよ」

と僕が返すと、

「じゃあ最初のGEMS病患者は私ね。だってつくってるときから夢中だったもの!」

と少女のような無邪気な笑顔のJacquey。こういう人たちがつくったプログラムだから僕たちは魔法にかかるんだなぁとほんわかした気持ちになれたミーティングでした。

アメリカ滞在記 #2
2018年09月22日

2日目の午前は、GEMSの本拠地ローレンスホール科学教育研究所(LHS)で、新しい体験学習プログラム「Amplify Science」のスタッフワークショップに参加してきました。

Amplify Scienceは、LHSとアメリカの教材会社Amplifyが提携してつくった新しいプログラムで、幼児〜中学生を対象にアメリカのほとんどの州で採用されているそうです。

この1つ手前のSeeds of Science/Roots of Reading®というプログラムは、GEMSのアプローチに言葉の力(Reading, Writing, Talking)を育てるエッセンスが追加されたものでしたが、Amplify Scienceではさらにモデルをつくる(Visualize)ことが新たに加えられました。

これは仮説を立てたり、PC環境でシミュレーションしたり(なんとガイドも電子化されてた!)しながら、Engineeringに通じる力を育てるのが目的とのこと。ついに LHSがデジタルに手を出したというのも衝撃ですが、なんともSTEMっぽいですね。

このようなプログラムの変化を、LHSのディレクターJacqueline Barberは、「GEMSという核があって、その周りに少しずつ貝殻を重ねていくような感じ」と表現していました。基本はいつまでもGEMSよ、と。

権利の関係であまり細かく書けないのですが、もう一つの大きな変更点は、学習課題をTopic(事柄)からPhenomena(事象)に転換したこと。

例えば、物質の三態変化を学ぶにしても、先生が「液体はこうだよ、固体はこうだよ」と一つずつ教えるのではなく、『木星にある“湖”を調査する』という学習の中で三態変化だけでなく、天体、宇宙船設計などと合わせて一気に学びます。

これは2013年に出たNext Generation Science Standards(NGSS)の影響が強く出ています。NGSSの序文でも書かれているのですが、科学の発展によって学ぶべき事項が増えすぎた結果、Topic(事柄)で単元をつくると学年に収まりきらなくなる事態が起きたのだそう。

そこでPhenomena(事象)ごとに単元を作り変え、一つの学習課題の中で複数のTopic(事柄)を扱うことにしたとのこと。こうすることで、一つの単元に避ける時間数が増えるから、長い期間同じ内容に触れることができて学習が深まる!

細かく単元を区切ると次々に終わらせなければいけないけれど、単元を長くとれるようにする。これはすごい転換!相変わらずおもしろい発想をするなぁと内容よりも考え方に感心したワークショップでした。

▼Amplify Science
https://www.amplify.com/curriculum/amplifyscience

アメリカ滞在記 #1
2018年09月21日

無事サンフランシスコに到着しました。
天気は快晴、湿気も少なく快適です♪

今日は時差を戻しながら、市内の本屋さんやショップを見てアメリカ社会の“今”を感じています。

おもちゃ売り場を見てみると、STEMやSTEAMと銘打たれたキットが増えていることに気づきます。STEAMはSTEM(Science, Technology, Engineering, Massmatics)にArtをプラスしたもので、日本でも注目されている理数教育のコアコンセプトです。

 

STEMと書かれているものとSTEAMと書かれているものとで何が違うのか比べてみたところ、一つは「自由度」のように感じました。STEM教材は、たとえいろいろなことができたとしても(20個の実験ができる!みたいに書かれていても)決められた枠組みの中での自由になります。

それに対してSTEAM教材は、オリジナルのグミを作ろうみたいに、材料の組み合わせや配合を変えると限りなくいろいろなことができるというような印象。色がカラフルなものが多いのも、バリエーションを増やすためなのかも。

アート=オリジナリティ(創造性、自由性)という感じなのかしら。ふむふむ。

大阪の小学校で恩返しワークショップ
2018年09月05日

大阪箕面市にあるアサンプション国際小学校で、出前授業と、職員研修をさせていただきました。

2年前からGEMSリーダーの先生を中心に各学年にGEMSの導入を進めてくださっているご縁の学校なのですが、先の大阪北部を襲った大地震、そして大雨では学校が休校になるなど、子どもたちへのストレスがかかる時期を過ごされていました。

GEMSをとても大切にしてくださっている学校なので、センターとして何か貢献させてもらえないかと打診して、今回の訪問が実現したのです。

午前中は小学2年生の子たちと『砂浜』のワークショップ。油が海岸に流出し、砂浜の環境とそこにいる生きものがピンチになるーというアクティビティを行いました。

このアクティビティの醍醐味は、各グループから1人ずつ前に出てきて違う場面を観察し、見たことを残りのメンバーに報告するところですが、グループごとに絵を描いたり、箇条書きで伝えたり、4コマ漫画にしたり、聞く人がわかりやすいように工夫していたのが印象的でした。

そして、油で真っ黒になった海鳥のショッキングな写真を見せるとき、

かも:各グループに写真を置いていくけど、きっとみんなギャー!とか叫ぶから、全部配り終わるまで裏のままにしておいて。

子どもたち:そんなギャーなんて言わへんよー(笑)

かも:めくっていいよー。

子どもたち:ギャァァァァァァァアア!!イヤァァァァァアア!!!

さすが大阪の子たち、2年生でも“振り”とリアクションがしっかりしている!
先生曰く「遺伝ですね」とのことでした(笑)

午後は、先生方と『たったひとつの海』と『世界の数学』にSDGs(持続可能な開発目標)を絡めたワークショップ。こちらもわいわい楽しかったなぁ♪先生方の探究に向き合う姿勢がとても素敵でした。

こちらから元気をお届けしたいとお願いした訪問でしたが、むしろ僕の方がエネルギーをいただきました^^
2学期からも素敵な先生と子どもたちがいるアサンプション国際小学校を応援しています!

▼アサンプション国際小学校のHP
https://www.assumption.ed.jp/primary/

幼稚園児に教えてもらったこと
2018年08月07日

都内の幼稚園で夏休みの特別講座&職員研修を担当させていただきました。
午前中に子どもたちと『カエルの算数』を行い、午後からは解説付きで先生たちともう一度同じプログラムを体験するという初めてのパターン。

子どもたちとのワークショップは、ヒーローショーでも観に来たのかというぐらいの大歓声。

「はぁぁぁあい!はぁぁぁあい!!」
「みどりさぁぁぁん!みてぇぇぇ!!」

お気に入りのボタンを見つけるだけでこんなに熱狂できる純粋さが羨ましい!一人ひとり好きなボタンは違うけれど、それぞれに「ピカピカだから」「つるつるだから」など理由があって選んでいるのがおもしろいです。

午後から先生たちだけで同じことをやりましたが、大人は大人で様々な理由があってやっぱりおもしろい♪特に幼稚園の先生たちは本当に発想豊かというか童心を大切にされているので、涙出るぐらいみんなで笑い合いました。こういう研修って楽しいなぁ。

そこでも伝えたのですが、今日『カエルの算数』をやっていて、このプログラムの大切なメッセージの1つは“人との違いを楽しむ心を育てる”ことなのではないかと思いました。

お気に入りで選ぶボタンも、ボタンの仲間分けの方法も、人によって視点が異なります。そこで「答え」を絞るのではなく、いろんな考えがあっておもしろいねということを幼児期に味わえるのって、とても大切じゃないでしょうか。

自分と違うことを受け入れられなくて起きるいじめ、人と違うことで損なわれる自尊心、どうにも人と違うことはネガティブに捉えられているような気がしています。

人と違うボタンを選んでも、それを堂々と掲げられる子どもたちがとっても眩しく見えた今日のワークショップでした。

 

▼『カエルの算数』のガイドを見る
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45209676

ちょっといい話
2018年08月01日

先週の研修でご一緒した小学校の先生から、「かもさんに教えてもらった算数ゲーム(『世界の数学』のもの)2年生の子とやって、見事に負けました」というメールがありました。

「僕もおととい3年生の子に負けましたよ」と返信すると、「子どもが勝つという事は、日本の未来が明るい証拠ですよね。良かった、良かった!」というお返事が。

こういう考え方って素敵だなぁ。
大人にもプライドはあるけれど、子どもたちが自分を越えていくことを素直に喜べる人でありたいですよね。簡単に越えられないような壁でもありたいけど(笑)

僕も目の前の子どもたちに越えていかれる日を待ち望みながら、ワークショップに励みます。

体育でもGEMS!?
2018年07月29日

GEMSブランチの日能研さんと一緒に、3日間連続の横浜市教員インターンシップを担当させていただきました。
横浜市内の公立校に勤める先生方が、夏休みを利用して企業で学び、教育について新しい視点を得ることを目的としている事業で、今回は24名の先生が参加。おもしろい試みですよね。

今回のテーマは「日能研社員として、学校にGEMSを売り込む企画書を作成する」こと。“先生”とは違う立場から教育を見つめ直すこと、GEMSを授業に導入するための接続点を探ることで地震の教育活動の可能性を広げることなどをねらいにプログラムを組みました。

GEMS体験から始まって、体験学習理論やMI理論の解説、日能研の教育アプローチについての情報提供など、朝から晩までフルコース。さすがの先生方も、慣れない設定と盛りだくさんの新しい情報に、2日目にはすでにお疲れのようでした。

しかし、3日目になると何かがつながったかのように、各グループともに企画ディスカッションが白熱!見ているこちらが思わず交ざりたくなるような、わくわくする話し合いがあちこちで起きていました。

出来上がったアイディアも素敵で、

・社会科で身につけたい「多面的に世界を捉える視点」を養うために、『環境探偵』や『文化遺産調査』を活用する。

・小学校で教科化される英語の時間に『カエルの算数』や「浮く?沈む?」をやって、英語力だけでなく思考力や発想力を育てる総合学習にする。

・体育でチームスポーツをやる導入として『世界の数学』をやり、戦術や相手の動きを読む視点を伝えることで、考えながら動く体育を実現する。

・授業が終わるごとに生徒に一言フィードバックを書いて渡す。そうすることで、生徒のラーニングサイクルが回りやすくなるし、それが積み重なることで、成績表の数字の根拠が明確になる。

などなど。どうです、聞いただけで心惹かれませんか!?
他にもたくさんのアイディアが出てきて、本当に素晴らしいフィナーレでした!

センターが考えている以上に、授業で活用でいるアイディアはたくさんあるのだなと感じられたのは大きな収穫でした。何よりそれを現場の先生方が考えてくれたので現実的!

よーし!せっかく作ってくれた企画があるので、夏の間に売り込むぞー!!