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イベント報告
生きること。学ぶこと。
2019年11月10日

抗体検査などを行なっている企業みらかホールディングスさんの社会貢献の一環として、病院内の学校(院内学級)の子どもたちとGEMSしてきました。
さまざまな理由で中〜長期入院している小中学生が通うのが院内学級。体調によって出欠が左右されるので、当日まで人数、学年、症状などが確定しない中でのワークショップでした。

液体の特性を多方面から探究する『液体の探検』をやろうと思っていたのですが、行ってみると先生が「ベッドに寝たまま参加する子がいます」とのこと。液体がこぼれてはいけないので、ビンに入ったままいろいろな液体を観察するアクティビティだけ実施することに。

ファシリテーションをベースにしているGEMSのアプローチはこういうときに強い!内容が変わったとしても、発問を工夫することとで当初と変わらない学びをつくることができます。

最初は緊張している生徒さんが多かったので、ペアでやるアイスブレークを長めにやってから本題へ。ビンを振ったり転がしたりしながら、「これは振ったら泡立つよ」「こっちは泡立つけどすぐ消えるな」などと分類していきます。

みんなが盛り上がっている中、1グループだけ表情暗く固まっているところがありました。発問しても目が合わず、アクティビティを変えても反応がありません。(終了後に、心療内科に入院されている生徒さんだと伺いました)

さてどうしようかと考えたときに、そういえばペアのアイスブレークは楽しそうにやっていたなと思い出しました。一対一でなら関係がつくれるタイプなのかと、急きょ流れを変えて予備で持ってきていた『世界の数学』のゲームへ。

これがビンゴで、さっきまで固まっていた子たちに笑顔が戻り、先生を相手に「もう1回!次は勝つから!」と何回も何回もチャレンジしていました。普段はお はじきを使ってやっているゲームも、付箋を使うことでベッドに寝たままでもプレイできるようにアレンジ。みんなで楽しく学んで終わることができました。

子どもたちには、こんなメッセージを伝えました。
「今やったゲームは“こう勝ちたい”ってゴールを描いて、そのために一手目にどう動こう、次はどうしようって考えたでしょ?それは、自分は将来こうなりた いとか、退院したらどうしようとか、そういうことをイメージして、そのために今から何をしようって考えるのと一緒。みんなの未来のためにたくさん学んでく ださい」

今回強く感じたのは、子どもたちは本来学ぶ意欲に溢れているということ。ただ、提供されるコンテンツやアプローチが合わなくて意欲に蓋をしてしまうことが あります。もし僕が心療内科の子たちの様子に気づいて活動を変えなければ、ベッドの子がいるのにおはじきにこだわり続けていたらー。アセスメントって大事 ですね。

最後に、ゲーム盤をプレゼントすると伝えたら子どもたちも先生たちも大喜び。校長先生いわく「院内学級だと、安全性の問題とかもあってなかなか体験的な学びができないんです」とのこと。これからも続けていきたい活動です。

考えるっておもしろいかも!?
2019年10月31日

日本環境教育フォーラム(JEEF) の機関誌「地球のこども」で連載しているコラムの最新回が公開されました。
今回は、子どもたちの遊びと学びをつなげるファシリテーションについて書きました。

ワークショップをしていると、子どもたちが遊びと学びの境界線をボーダーレスに行き来する姿をよく目にします。ただ遊んでいるように見えて、実はそこから重要なことを発見していたりするので、ぱっと見の判断で注意することはありません。

でも、遊びが「おふざけ」になってしまっている時は軌道修正が必要です。

(続きはこちらから読めます)

かも、再びブータンに行く #4
2019年10月19日

首都ティンプーから車で1時間ほどのパロという街にある教員養成大学でワークショップをしてきました。
パロはブータンで唯一の国際空港があり、ブータンの入り口ともいうべき大きな街。パロ教育大学には、小中学校の先生を目指す学生が約1,000人学んでいます。

今回は、一年生33人と算数をテーマに2時間のワークショップ。「池に飛び込めゲーム」と「3人のモリス」(それぞれ『カエルの算数』『世界の数学』より)をやりながら、正解が1つでない算数と、そこで育まれる力について考えていきました。

ブータンの教員は子どもたちにすぐ答えを教えたがって、考える時間をあまりとらないと各所から伺っていたのですが、まだ入学したての彼らは効率や成果より も考えることが大好き。わいわい話し合いながら算数ゲームを楽しんでいました。(ブータン人女子大生とモリスを本気でやって負けました笑)

素敵だなと感じたのは、学生たちに「算数って答えが1つに決まる学問だと思う?」と聞いてみると、ほとんどの学生が即座に「ノー」と答えるのです。でも、 「算数の成績つける時って答えが合っているかどうかで見がちじゃない?」と聞くと、それは「イエス」だそう。ブータンは小学3年生から数年おきに全国テス トがあって、その成績で行ける学校が決まったりするので、どうしても評価の最重要ポイントがその点数になってしまうらしいのです。

正解が1つじゃない算数をしたいけれど、それを評価する手法や仕組みがないから結局は知識重視になってしまうー。ブータンの教育課題の一つを垣間見たような気がしました。

 

ワークショップの最後に、学生たちにこんなメッセージを伝えました。

「子どもの頃に今のブータンの状況をイメージできてた人はいますか?(全員首を横に振る)そのぐらいブータンはどんどん変化していってるってことだよね。 じゃあ、みなさんがこれから担当していく子どもたちが大人になる頃は、どのようなブータンになっているかイメージできる?(また全員首を横に振る)

イメージできないとしたら、それは答えが1つに決まっていなくて様々な可能性があるということですよね。答えが1つに決まっている社会なら、その中で求め られている知識やスキルを与えればいい。でも、答えが決まっていない社会で生きる子どもたちを育てるなら、今日やったゲームと同じように、いま・ここを積 み上げていく学びを大切にするしかないと思うんです。

そして、その学んでいく過程を子どもたちが嫌になってしまわないように、楽しい学びが大事。今日皆さんが楽しそうにしている様子を見ていました。でも、楽しさも幸せも一人ひとり形が違います。こういう風に楽しめ!と限定されたら楽しめないですよね。

それぞれの形で楽しめる学びがあるクラスをつくっていってください。そういった学びが積み上がっていくと、国の幸せGNHにつながっていくのではないでしょうか?みなさんがブータンらしさの上に、新しい教育をつくっていってくださるプロセスをご一緒できると嬉しいです」

学生たちは真剣な顔をして聞いてくれました。スマホで録音しながら聞いてくれている子もいました。

終了後に学長の先生とお話しさせていただきましたが、ブータンらしく「過去を尊重し、今を大切にし、未来に想いを馳せる」ことができる先生を育てたいと仰っていました。西洋化ではない、ブータンの価値観に根ざした教育改革が始まろうとしています。

かも、再びブータンに行く #3
2019年10月18日

ブータンのJai Bir Rai教育大臣と教育について意見交換させていただきました。
日本でいうところの文部科学大臣に相当する偉い方ですが、さらにブータンの学校教育部門、カリキュラム作成部門、教育評価部門それぞれのディレクターという、ブータンの教育をデザインされている主要メンバーを集めていただいての貴重なミーティング。

とにかくいろいろな話が出たのですべては書けませんが、日本が培ってきた教育のアイディア(失敗経験も含めて)や、GEMSのアプローチにとても期待していると言っていただきました。政権が変わり教育改革がはじまってはいるけれど、理数教育に弱さを感じているそうです。

この教育改革の話が特におもしろかったのですが、ブータンといえば国民総幸福量(GNH)という指標を生み出したことで有名ですよね。なので、教育の中にもGNHの価値観(value)を取り入れているとのことでした。

カリキュラム作成のディレクター曰く「価値観(value)、スキル(skill)、知識(knowledge)の順で大事にしている。他の2つに比べて 遥かにvalueが優先されます」とのこと。これまでのコンテンツベースの暗記型教育から、応用ができる力や、多様性を重視した教育(Skill & Value Based Education)にシフトしていこうとしているのだそうです。

さらに、学校教育のディレクターは「GNHに根ざした教育を探ることは、ブータンの子どもたちが幸せになるだけでなく、世界中の子どもたちが幸せになる方 法をつくることにつながります」と続けて仰いました。国内のことだけでなく、自分たちの教育改革で世界の幸せまで意識していこうという姿勢は、“誰も取り 残さない(No one will be left behind)”を体現しているかのようですね。

現在の国王様も、国にしっかりと根ざし、かつ、グローバルに活躍できる人材育成を望んでいらっしゃるということもあり、その土地ならではの教育アプローチ(Placed Based Learning)を模索し始めたブータン。

近代化とともに急速に進む経済発展の波に負けて、ブータン人として大切にしてきたものを手放してしまわないような、柔軟で強靭なリジリエンスと思考力をもった子どもを育てる教育のチャレンジが始まっています。

そのような動きの中でGEMSがどのように貢献していけるのか、ジャパンGEMSセンターのチャレンジも始まったばかりです。

かも、再びブータンに行く #2
2019年10月17日

3年生に続いて、4年生とは『カラーアナライザー』のワークショップ!
学年的に色の波長など知識の部分は割愛して、秘密のメッセージづくりを中心にやりました。

まずは、回折格子(分光シート)を通して電球の光を見てみると、白い光の中に隠されたさまざまな光の色が虹のように現れます。ブータンでも虹は7色という のが通説らしいのですが、子どもによっては「僕は6色にしか見えないけど?」「わたしは9色見える!」など意見がバラけます。

そこで、色の見え方は一人ひとり違うんだという話をします。1つの理由は、全く同じ身体の人はいないから。もう1つの理由は、色は名前がついていないと認 識できないから。アフリカのある部族の人は虹が2色にしか見えないんだよーという話も添えつつ、色の見え方に正解はないから自分の見え方を大事にしてねと 伝えました。

そこから、赤と緑のカラーセロファン越しに物を見ると色が変わる不思議を体験します。これに子どもたちは大盛り上がり!お互いの民族衣装の色の変化を楽しんだり、教室の掲示物を見たり、「何でこうなるのー!?」と不思議の世界にどっぷり浸かっていきます。

じゃあ色が変わる仕組みを使って、赤(緑)のセロファンを通してみると読める秘密のメッセージを描いてみようというのが次のステップ。ここで驚いたのは、 子どもたちが躊躇せずに描き始めたことです。完全に仕組みを理解しているわけではないのに、とりあえず描いてみて、上手くいかなかったら調整してと、 Try & Errorのモードにスッと入るのです。

全てのブータンの子がそうではないかもしれませんが、前回も含めてこれまで見てきた子たちは、「先行知識がなくてもとりあえずやってみる」という姿勢が日本の子たちよりも強い感じがします。だから、GEMSのような体験学習は特に合うんだろうなぁ。

最後に、世界の見え方について話をしました。今日やったように、色の見え方は一人ひとり違う。つまり、一人ひとりの見えている景色が違うんだ。世の中には いろんな見方があって、みんながハッピーになるためには一つだけの見方で押し通すことは難しいかもしれないね。自分はこういう風に見えてるんだよってこと を、他の人とどうやって共有できるかなぁ?

国民総幸福量(GNH)を重んじるブータンだからこそ、多様な意見や価値観を疎外することなく進んでいってほしいという願いも込めて話しました。これから変わっていこうとしているブータンの教育に、少しでも貢献していきたいなぁと改めて感じた2時間でした。

かも、再びブータンに行く #1
2019年10月16日

ティンプーにある私学ペルキル・スクールで、小学3年生の子たちと『カエルの算数』のワークショップをしてきました。
「今日は算数をやるけど、ノートも鉛筆も使わないよ。使うのはみんなの頭と、心と、体だけ」という投げかけから始めると、不思議そうな顔をする18人の子どもたち。

1番〜12番まで12匹のカエルを並べて、2つのサイコロを振った出目の合計の番号のカエルが1マス進めるというルール(例えば、2と3が出た場合2+3=5番のカエルが進む)の「カエルの池ゲーム」にチャレンジしました。

ゲームを始める前に何番のカエルが1着になるか予想を聞くと、10番・11番といった大きい番号や、2番・3番といった小さい番号を予想する子が半分ぐら い。理由を聞くと、「サイコロ2つ降るんだから大きい数が出るでと思う」という子や、「速そうな色をしているから」という子もいます。日本の小学生だと確 率で考える子が多いのですが、ブータンの子は感覚的な子が多い印象。

ゲームが始まって20回ほどサイコロを振ると、(今回は珍しく)6番〜8番あたりのカエルがよく進みます。そこで、さっきと変えてもいいからもう一回何番が1着になると思うか予想を教えて〜と聞くと、ほとんどの子が7番の周辺に予想を変えたのです。

この柔軟さと、目の前の状況から思考する力!無理に頭で考えようとして動けなくなるのではなく、いま起きていることを観て柔軟に判断していけるのはすごいなぁ。。

ゲーム終了後に確率の解説をして、これに気づいていた人いる?と聞くと、意外と確率で考えていた子が少ないので二度驚きました(笑)ブータンの子たちは、純粋に目の前の事象と向き合っているのですね。

ちなみに、このクラスの入り口にはClass-3 is very hungry for learning(3年生は学ぶことにとっても飢えてるの!)の張り紙が。その期待に答えられたかなぁ?笑

さぁ、GEMSをはじめよう!
2019年10月10日

GEMSリーダーの佐藤さんが園長をされているペガサス保育園・エトワール保育園の合同保護者会でミニGEMSワークショップをしてきました。
今年の春の保護者会にも呼んでいただいたのですが、その際に「子どもたちがどのような気持ちで学んでいるかを実際に感じることができてよかった」と好評だったとのこと。嬉しい!

今回は『動物の自己防衛』をショートver.でやってから、体験型の学びが幼児期の子どもたちの成長に与える影響について紹介しました。30分という短い時間の中でしたが、60名以上の保護者の方とインタラクティブでフランクな場がつくれたので満足♪

保護者からのニーズが高まってきたところで、満を持して年度末に保育園で親子講座を実施します。どのプログラムをやろうか、どんなワークショップになるのか、今から楽しみ!

これで講演型のパッケージもできたので、これからGEMSを導入するにあたって保護者の理解を深めるために話に来て欲しいというご依頼にも対応できるようになりました。ご希望がありましたら、下記のフォームよりお問い合わせください^^

*GEMSセンターへのご依頼はこちらから
https://secure01.blue.shared-server.net/www.je…/gemscontact/

笑って、学んで
2019年10月07日

昨年に引き続き、専修大学でワークショップ!
情報デザイン系の学生さんたちと『動物の自己防衛』をたっぷり3時間やりました!

長いワークショップだったので詳細は割愛しますが、とにかく安心感のあるワークショップをしよう!と伝えてきました。

場に安心感がないと、笑いも学びも生まれない!
Laughing & Learning!さぁ、大きく口を開けて脳に酸素を送ろう!!

いただいた写真を見ると、みんなとってもいい笑顔♪学生さんのアイディアが豊か過ぎて、僕も涙が出るほど笑いました^^

すごく学生さんたちとつながれた感覚がしたワークショップでした。

*このプログラムのガイドはこちら
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45206619

暮らしと科学
2019年10月07日

GEMSリーダーの城之内先生が高校一年生を相手に『環境探偵』の授業をしていると聞き、見学に伺いました。

このプログラムは、ある地域で魚が大量に死んでいるのを発見した少年と共に、容疑者への聞き取り、科学実験、新聞記事や街の歴史の分析など、さまざまな データを集めて犯人を特定する壮大なストーリー。単発のワークショップよりも、学校で長い時間をかけてやるのに適しています。

今回の授業は、事件が起きた街の周りにある川や池から採取してきた(とされる)水のpH調査。試験紙を使って酸性・アルカリ性の強度を調べ、魚を死に追いやった原因がどこかから流入した水にあるのではないかという仮説を検証していきます。

実験方法と試験紙の使い方を確認し後、試験紙をそれぞれの水に浸け、色の変化を観察します。生徒たちは「えっ、これ大丈夫な色?」「赤って強い酸性だよね。魚死んじゃうんじゃない?」などとぺちゃくちゃしながら、10種類もある水を丁寧に観察していました。

その様子を見ていて、生徒たちは誰もpHを測定するという「行為」を目的にしていないことに気がつきました。結果を見て、酸性・アルカリ性の強弱から「この水の中でなら魚は生きられるか否か?」という、pHを調べる目的がしっかり意識されています。

これって割とすごいことなんです。授業を受けていると、子どもたちは目の前のことに集中しがちで、それを何のために学んでいるのか、何につながるのかを見 落としがち。GEMSのようなストーリー性のある学びでは、たとえファンタジーであっても今の学びが何につながっているかが意識されやすいんです。

女子の理科離れが課題になっている今、日常生活や自分の将来とつながる実感がもてる学びが大切だなぁと改めて感じる時間でした。

*このプログラムのガイドはこちら
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45211389

学習指導要領×GEMS
2019年09月25日

以前からリクエストが多かった学習指導要領とGEMSガイドの対応表をつくり始めました。
まだまだつくり始めた段階で、まずは理科から見ています。

完成までもうしばらくお待ちくださいね^^

*GEMSガイドブックショップはこちら
http://japangems.shop-pro.jp/

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