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イベント報告
岡ツアー#2
2019年03月01日

昨夜のGEMS Cafeの感想の中に、「子どもたちにやってあげたいけれど、教科書で手一杯なので授業でGEMSのような探究をするのは難しい」という方がいらっしゃいました。

実は、ワークショップで毎回のように出るこの種の感想にどう向き合うかをずっと考えていました。先生方の大変さもわかるし、学校のやり方を否定したいわけではないし。

ただ、昨日ふと思ったのは、こういう感想を持たれる先生は、GEMSのコンテンツに注目されているのではないだろうかということ。GEMSの探究がコンテンツの魅力によって生み出されていると捉えると、授業時間が足りなくなると考えるのもわかります。

でもGEMSの探究の多くは、ファシリテーションによって生み出されています。もちろんコンテンツの魅力によって引き出されるものもありますが、それを活かすも殺すもファシリテーション次第。教え込み型でGEMSをやってもちっとも楽しくありません(笑)

そしてこの「ファシリテーション」というスキルは、GEMSだけでなくすべての授業で探究を生むことができます。子どもたちの淡い気づきを広げ、深め、繋げ、学びのサポーターになることで、教科書の問いから始まったやり取りでも探究的に変わっていきます。

そこを学校で取り入れてほしい!教科書ベースの授業のままでいいので、そこにファシリテーションをトッピングしてほしい!

学んだことをそっくりそのままじゃなくて、日常の中に適用したり応用したりするのって、大人が子どもたちに求めていることだと思うんです。大人もそれを大切にしたいですよね。

さーて、今日もラーニングサイクル回そうかー!

※写真は昨夜の活動中にぐうぜん生まれた探究。インクで色をつけた炭酸水をスマホライトで天井に投影しています。天井で観察するという新しい発想がおもしろい♪

岡ツアー#3
2019年03月01日

岡山に到着後、ローカル線に乗り換えて一路倉敷の美観地区へ。
江戸時代の街並みが残るこの場所にある古道具店「ウームブロカント」にやってきました。

実はこのお店、GEMS仲間の岡亜希子さんが店長さんなのです。元々はお屋敷の蔵だったという店内には、所狭しと日本各地から集められた古道具(ブロカント)が並んでいます。

古道具のおもしろいところは、二つと同じものがないところ。それは、昔の持ち主に愛され、しっかりと使い込まれた痕跡が刻まれているから。元は同じであったろう金属製のスプーンも、一つ一つ錆び具合や欠け具合が違っていて宝探しのような楽しさがあります。

そしてもう一つの大きな魅力は、新しい価値を見出すこと。糸車がキャンドルホルダーになったり、演算用紙がランプカバーになったり、アイディア次第で古道具や廃材に新しい命が吹き込まれます(これをクリエイティブ・リユースと言ったりする)。

違いを観察し、どう使えるか想像を巡らせ、新しい使い方をクリエイトしていくー。そう、古道具屋さんにはサイエンスが詰まっている!

次はここで古道具を使ったGEMSをやってみたいなぁと画策中。刺激的な時間でした♪

算数の新時代
2019年02月14日

奈良県の先生たちと、学びのユニバーサルデザイン化(UDL)を推進する研修をご一緒しました。
早稲田大学の高橋あつ子先生とのコラボで、『食べもので算数』のワークショップ!小中高、特別支援の各カテゴリーから集まった約40名の先生方と盛り上がりました!

 

UDLのことを細かく書き出すと長くなってしまうのですが、ざっくり説明すると「すべての子どもが、それぞれの特性を生かしながら深い学びを得る」ことを目指す考え方。GEMSはその一例として呼んでいただいたのです。

そして今回取り上げた『食べもので算数』は、ストーリー仕立ての算数プログラム。メキシコからレストランを開くためにやってきたロサーダさんが抱えている問題を、算数を使って解決&アドバイスするという、日常場面での課題解決がテーマです。

特に、お店の看板メニューに適正な値段をアドバイスするというアクティビティでは、さまざまなデータから自分たちなりに導き出した値段をロサーダさんにプレゼンします。

「原価がこれだけだから、380円にしたらいいよ」
「お釣りの計算が楽だから、ちょっと高くても400円がいいよ」
「奈良に店を出すなら、3人分で1010(せんと)円パックが売れるはず!」

根拠はさまざまですが、それぞれにちゃんと戦略があって導き出された答えたち。思いつきで店先に飾るポップもデザインしてもらったけど、これがまた「トルティーヤ!こうてーや!」とか工夫を凝らしたキャッチフレーズでおもしろい(笑)

算数って答えが一つに決まってしまうものってイメージがあるけれど、それは「先生が答えを一つに絞る」のではなく「生徒が答えを一つに決める」ってことのはず。

たくさんある可能性の中から、論理やデータを駆使して自分なりに答えを導くー。算数が本当に育てたい力ってそういうところだと思うのです。たまたまそれが先生の答えと同じになることはあったとしてもね。

大人が求める答えを探るだけの算数を変えていきませんか?

▼『食べもので算数』
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45203776

色々な学び方、カラフルな可能性
2019年02月13日

少し前になりますが、アート×サイエンス「野菜や果物の色を変化させよう!」を開催しました。
フランスで美術研究員として活躍されている藤井ひとみさんを迎え、野菜や果物から取り出した色素を変化させる色鮮やかな実験にチャレンジ!

紫キャベツ、ブルーベリー、ナスの皮をグツグツ煮ていくと、あっという間に鍋の水が染まってきます。それだけでも十分綺麗なのですが、それをカップに分けてそれぞれレモン汁や重曹を加えていくとガラッとと色が変化するのです!

「うわぁなんだこの色!?」
「比べてみるとこっちの方が青くない?」
とか言いながら、子どもたちはワークシートに色を記録したり、気づいたことを書き留めていきます。

すべての色を再現したいとクーピーの重ね塗りにこだわる子、 少しずつレモン汁を加えていって色の変化を楽しむ子、重曹を加えた時の泡がおもしろくて泡の探究を始める子…アート方面に興味がある子も、サイエンス方面に興味がある子もそれぞれの楽しみ方で学びを深めていくからおもしろい!

アートとサイエンスが同じ場にあることを「STEAM」と形容することもありますが、そのメリットの一つは様々な興味をもった子が、それぞれやりたい探究をしながら、総合的に学べることなんだなぁと実感しました。

アートを楽しんでいるうちに、気づけばサイエンス。
サイエンスを深めているうちに、表現がアート。

一つの領域や手法に子どもたちを縛りつけるのではなく、子どもたちの興味関心から始めて、次第にそれを他の領域につなげていくような学びっていいですよね。

子どもたちの数だけ、色々な可能性があると思うのです。

▼藤井ひとみさんの色使いが堪能できる絵本
『ぱんだえほん〜ぱんぱんぱんだの12ヶ月』
http://www.gotoshoin.com/cat77/12.html

教室の中に“リアル”を
2019年01月31日

JICAの青年海外協力隊として、毎年多くのGEMSリーダーが世界へ飛び立っています。
今も太平洋諸島、アフリカ、中東などで、ある人は小学校の先生として、またある人は環境教育の専門家として活躍されています。

日本で身に付けた様々なスキルが海を渡り、さらに現地での経験の中で磨き上げられて日本に戻ってくるというサイクル。その蓄積を持った人がどんどん教育現場に増えていくのは素敵ですよね。

クラスの子を全員海外に連れていくことは難しくても、海外で経験を積んだ先生は子どもたちにある種の“リアル”を提供できます。

「生きる力」を持った先生が増えるといいなぁ。

JICA海外協力隊経験をもつ教員への期待

 
あたたかいっていいなぁ
2019年01月22日

先週末の東京は雪が降るほど寒かったのですが、センターはあたかい絵本屋さんの中でワークショップ。
木とそこに住む生きものをテーマに、からだをいっぱい使って学んでいきました。

まずは、本物の木の枝や木でできた製品をさわってみたり、自分のからだを使って木になりきってみたり、たっぷりと時間をかけて今日のテーマ「木」に子どもたちの気持ちを向けていきます。

「今日は木についてやりまーす」と口で言うだけでは、頭でやることはわかっても気持ちが乗ってこない子は結構います。先を急がずじっくり導入していくと、 子どもたちのからだが自然と前のめりに。学びスイッチを子どもたち自身の力で押すことができると、大人に言われたからやっているのとは集中力が段違いで す。

かがくのとも『もりのなかのあなのなか』の読み聞かせから、木に住むフクロウの生態について学びが進んでいきます。手始めに、フクロウの絵を見ながらからだの仕組みを理解していくのですが、実際に自分たちで体験してみるのがGEMS流!

フクロウと比べて自分の首はどこまで回る?フクロウみたいに足だけで物を掴める?音もなく飛ぶフクロウのように、静かに歩ける?「できないー!」「こんな の無理だよー!」なんて言いながら一つ一つ体験して、自分にはできないことを軽々とやってのけるフクロウの凄さに気づいていきます。

最後は紙でフクロウとそのお家を作ります。みんなのお家をならべてみると、それぞれの個性が出ていておもしろいね。さらにエサを獲りに行くロールプレイ!本当に食べられるウサギ饅頭とミミズグミを獲って、みんなでもぐもぐふりかえり。

お外はあんなに寒いのに、あたたかくいられるお家はやっぱりいいねぇとしみじみ実感しながらワークショップが終わりました。頭で理解するよりも、からだで実感できる学びって大事だなぁと改めて感じるワークショップでした。

*『木のおうち』のガイドはこちら
http://japangems.shop-pro.jp/?pid=45204188

みんなとやるからおもしろい!
2019年01月12日

日本環境教育フォーラム(JEEF)が実施する「環境ユース海外派遣研修」でインドネシアに派遣されるみなさんの事前研修でGEMS。
現地で行われる英語での研修に備えて、英語で「浮く?沈む?」を実施しました。

参加者どうしも今日が初めましてという状況の中で、最初は硬さも見られたものの、一つずつ明らかになっていく物の浮く・沈むにみんなで“一喜一驚”しているうちに場が温まっていきました。

ほとんど全編英語での進行でしたが、さすが海外志向のみなさんだけあって臆せず英語でディスカッション。ところどころ「おろし金って英語で何て言うの?」といった日本独特のグッズに苦戦して笑いあったり。

できないこと、わからないことを温かく笑いあえるチームっていいですよね。きっとこのチームは現地で素敵な時間を過ごすんだろうなぁ。

知り合ってっていくとき自己紹介もいいけれど、同じ探究の場を共有するっていのもお互いの特徴が見えていいものですよ^^

▼平成30年度環境ユース海外派遣研修
http://www.jeef.or.jp/activities/indonesia_training/

“雑味”のある学びで思考を動かす
2018年12月28日

2018年のワークショップ納めは&EARTH教室というプロジェクトで環境教育に関わる大学生たちの研修でした。

三重でも好評だった『世界の数学』を使って環境問題やSDGsにアプローチできる思考力を育てるーというワークショップで、体温が上がるほど算数ゲームで遊び尽くしました。

最後のQ&Aコーナーで、「アクティブな学びをつくるポイントは何ですか?」という質問がありました。僕は「雑味があることですね」と答えました。スマートになるほど、抽象化するほど、学びは味気がなくなります。

例えば、「四角柱を斜めに切った断面の面積」を求める問題があります。そもそもこの四角柱は何なのでしょう?実生活で四角柱を斜めに切る場面ってあるのでしょうか?問題を解くのに不必要な思考が動かないように、無駄な情報を排除した感じがしますよね。

これが「ゴジラが上陸してきて光線でビルを斜めに切ってしまったので、雨が入らないように屋根をつけたい。どれだけの大きさの屋根が必要か」という問題ならどうでしょう?ちょっとだけ楽しくないですか?笑

問題の本質に関係ない情報が入っていると、ファンタジーが膨らみます。その“雑味”こそが思考を動かす原動力。楽しさが加わるだけでなく、余分な情報の中から解決に必要な情報を取り出すという力も育ちます。

リアル世界での課題解決は雑味だらけ。教科書の問題だけが得意な子にならないように、いろいろと工夫したいところですね。

みんなちがってるんだから、みんないかそう
2018年12月22日

三重県で行われた第2回キャタリストフォーラムに参加させていただきました。
今回のテーマはSDGsということで、午前は『砂浜』、午後は『世界の数学』を使って体験型SDGs学習を紹介。三重ではまだまだ知られていないGEMSですが、たくさんの人が来てくださいました。

今日は特に、SDGsやアクティブラーニングを実現するには多様性を活かすのがポイントですよーという話をしました。そして、多様な子どもたちに寄り添うためには、教えるという一方向的な関わり方ではなくてファシリテーションという双方向的な関わり方がオススメですよーという話も。

子どもたちの多様性と、それに寄り添うファシリテーションを教育のベースにすると、SDGsの合言葉“誰もとり残さない”と、アクティブラーニングのどちらにもアプローチできると思うんです。

これからは多様性を活かしたMIE(Multiple Intelligence Education)の時代ですよー♪

※ MI理論(Multiple Intelligence)
人それぞれ異なる知能のバランスを活かして学ぶことを推奨する考え方。GEMSではすべてのプログラムに採用されている。

自分の人生をデザインする
2018年12月07日

麹町学園女子中学校高等学校さんで、中学3年生60人を対象に出前授業をさせていただきました。
今回は「プログラミングについて」というオーダーだったのですが、パソコンもタブレットも一切使わず『世界の数学』で勝負♪

世界の算数ゲームで遊びながら、“勝つための戦略を練る”というプログラミング的な思考を体験します。1対1の個人戦、2対2のチーム戦、4人グループ全員で課題解決と少しずつ人数を増やしながら思考を深めていきました。

数学とかプログラミングという言葉に最初はげんなりした表情の女の子たちでしたが、始まってしまえば阿鼻叫喚!

「キャー!いやぁぁ!」「イェェェェェエイ!!」
「そこダメ!そこダメ!」「あーーーーー!!」

60人の女子パワーはすさまじく、部屋の温度が上がるほど熱い戦いがくり広げられていました。こういう賑やかな数学とかプログラミングは楽しいなぁ。

最後に、プログラミングってパソコンをカチャカチャすることとは違うよーという話をしました。デジタルプログラミングはほんの一部でしかなくて、プログラミング的な思考は生活のいろいろなところに隠れてます。

こういう味のクレープが食べたいから、バナナとチョコと生クリームをトッピングして…みたいなのもプログラミングだし、どこの大学に行って、何歳ぐらいで結婚して…という人生設計もそう。

そもそも学校の教育目標が「豊かな人生を自らデザインできる自立した女性」ってなってるんだから、それってプログラミング的な思考が大切じゃない?って言ったら、なぜか温かい笑いが起きました(笑)安心したのかな?

パソコンのスキルを高めるためでなく、自分の生きたい場所に行くために、自分が欲しいものを得るためにー。自分の人生を豊かにする力を育てるために、プログラミング教育が展開されていってほしいですね^^

▼麹町学園女子中学校高等学校
http://www.kojimachi.ed.jp/